虎ノ門ニュース – 2020年6月1日 21時31分

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★★★★☆
【何があっても大丈夫】櫻井よしこ
毎日、アーカイブで虎ノ門ニュースを見ている。百田尚樹さんと一緒に櫻井よしこさんが出られる回は必見で、日本の強さや誇りを感じることができる。じーんと胸が熱くなり、日本史教員としてまた、日本の素晴らしさを子どもたちに伝えたいと思うもの。その櫻井さんの半生が書かれたものがこの一冊。「何があっても大丈夫」というのは、櫻井家を支えた母以志子さんの言葉。一冊の中で、何度も櫻井さんがこの言葉を思い出し、勇気づけられる場面がある。と同時に読んでいるぼくも勇気つけられるのである。教員として、また父親として、学ぶところがたくさんあるのである。名著。今まで読んできた自伝の中で一番印象に残るものになった。
○「何があっても大丈夫。だから自信をもって進みなさい。」(p33)
○母はそのことを心から信じていた。人生や人間の良い面ばかりを教えようとした。そして母は私たち子どもに対しても、すこぶる褒め上手だった。
私は母から「とてもいい子だった」「勉強については何も問題ない、大人しくして育て易い本当にいい子だった」と言われ続けて育った。その結果、自分でもそのように思い込んでいた。学校の成績もピカピカのオール５だというふうに考えていた。ところが、母が大切にしてくれていた小学校時代の通知表を今開いてみると、必ずしもそうではないのだ。５ばかりではなく、３や４もある。苦手だと思っていた算数や理科で、逆に５を貰っていたりもする。だが３や４でも、母は確信を持って褒めて育ててくれた。子どもがその子どもなりに頑張っていれば、たとえ１の評価でも２の評価でも、母は誉めてくれたことだろう。・・この時のことはいまでも私の心の中におかしくも愛情深い母親の知恵を示すものとして残っている。どんなことでも誉めて、認めて、勇気づけて育ててくれた母に感謝するばかりである。(p71.73)
○「これからが真価を問われるのよ。お母さんがあなたたちを支えますから、明弘もよしこもしっかり勉強するのです。知恵を出して力を合わせれば大丈夫。安心してお母さんに任せなさい。」(p94)
○「お母さんはあなたたちのように学校に行っていないから、難しい話はできないけれど、こう思うの。人間はみんな、神様に愛されて生まれてきたんだと。世の中を見渡してご覧なさい。人間ほど恵まれて生まれてきた存在はいないでしょう。使えば使うほど知恵を出してくれる頭脳を与えられている。努力すればするほど磨かれる才能も、ひとりひとりに与えられているでしょう。神様は私たち皆を愛してくださっているの。だから、私たちは誰でもみんな、幸せになるようになっているの。どんな人も幸せになるために生まれてきたのよ。」母は、ひとりひとりの幸せはその人自身が決めるものだとも言った。・・「幸せはね、みんなの前にあるの。見つけることができるかどうか、それは気持ち次第なの。大事なことは、神様はどんな人にも幸せになってほしいと思っていらっしゃること。だから、お父さんや女の人が不幸になればいいなんて考えて悪口を言うことはお母さんには出来ないのです。お父さんも女の人も、皆、幸せでいることがいいことなの」(p122)
○「よしこちゃん、人の言うことは半分に聞いておきましょう。」(p127)
○(高校最後の担任である高野先生は)生きることも死ぬことも恐れることはないというふうなことを仰って破顔一笑するのだった。(p153)
○「立派に一人立ちしたでしょう。全ては良い方向に進んでくれたでしょう。よしこちゃんはよしこちゃんの選択を全うしたのよ。だから思い悩む必要はないのですよ。・・よしこちゃん、泣いてもいいけれど、涙に溺れては駄目よ」(p230.231)
○「誰も見ていないと思っても、神様が見ていらっしゃる。神様が見ていらっしゃらなくても、自分が見ているでしょう。だから、自分に恥ずかしくないように生きなさい。(p252)
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